平塚市は、昭和45年以降の20年間に整備された公共施設やインフラ施設が集中的に更新・改修時期を迎え、多額の更新費用が見込まれています。
現状の予算規模では、全ての公共施設を保有し続けることは困難として、市は
平成27年11月に『平塚市公共施設等総合管理計画【完全版】(PDF 1,442KB)、【概要版】(PDF 471KB)』を策定し、「今後10年間で延床面積総量の4パーセント縮減」する目標を立てました。
当時、平塚市の保有する公共施設の総延床面積は、約72万㎡(平成26年4月1日現在)でした。
しかし、今回の改定素案では、約74.6万㎡(令和2年4月1日現在)となっています。
平成26年から4%減るどころか、逆に4%(約2.6万㎡)増えてしまっています。
※この4%増えたうちの大きな施設は、市役所本館、競輪場メインスタンド、市民病院です。
そして改定素案では、
平成27年に「今後10年間で延床面積総量の4%縮減」目標であったものが「今後10年間で延床面積総量1.5%縮減」に変更されました。
なぜ今後10年間で1.5%縮減目標になったのでしょうか?
担当課である資産経営課に伺いました。
返答は下表のとおりですが、
要するに、試算期間を短くしたり、対象施設を減らしたりして、本来かかる更新費用を将来に先送りしただけの数字遊びと言っても過言ではありません。
公共施設の管理目標に係る当初計画と改定素案の対比
当初計画 | 改定素案 | |
①掲載図 | ||
②更新費用の試算期間 (考え方) | 40年間 | 30年間 対策効果の発現時期や将来の不確定要素などを考慮して、30年間の試算結果を10年ごとに区分して検討 |
③試用期間の更新費用総額 (試算条件) | 2,226億円(年平均56億円) 目標耐用年数は一律76年に設定し、中間で大規模な改修を1回実施 | 1,632億円(年平均54億円) 目標耐用年数は構造及び立地に応じて40〜76年に設定し、20年ごとに大規模又は中規模の改修を実施 |
④試用期間の合計不足額 | 80億円 (56億円/年−54億円/年)×40年 | 240億円 第1期不足額(54億円/年−49億円/年)×10年=50億円 第2期不足額(54億円/年−49億円/年)×10年=50億円 第3期不足額(63億円/年−49億円/年)×10年=140億円 |
⑤管理目標 (考え方) | 今後10年間で延床面積総量4%縮減 更新費用56億円/年と実績54億円/年とのギャップを10年間で解消 (56億円/年−54億円/年)÷56億円/年≒4% | 今後10年間で延床面積総量1.5%縮減 30年間の合計不足額のうち今後10年間のうちに削減に取り組む費用(削減目標額)を、その期間に必要な建替え費用の割合に応じて算出し、削減目標額が今後10年間の更新費用に占める割合を管理目標として設定。 合計不足額の建替え費用比率按分 240億円×(16億円÷504億円)≒7.6億円 (30年間の建替え費用504億円(うち第1期の建替え費用16億円)) 削減目標額の第1期更新費ように対する比率 7.6億円÷516億円≒1.5% (第1期更新費用516億円(年平均52億円) |
⑥対象施設 の考え方 | 全施設 | 一般会計から支出する施設 (平塚競輪場・下水道施設・市民病院を除く) |
⑦縮減 面責 | 28,800㎡ 約720,000㎡×4% | 約10,000㎡ 約660,000㎡×1.5% |
②更新費用の試算期間(考え方)
試算期間を短くしただけ。
③試算期間の更新費用総額(試算条件)
試算期間が短くなったため、総額は減ったが、仮に40年間で計算すると2,176億円となり、⑦の縮減面積が減ったことを考慮するとむしろ増加している。
④試算期間の合計不足額
第1期、第2期は大規模又は中規模の改修で、第3期に建替えの時期を先送りしただけ。
⑤管理目標(考え方)
④と同じ
⑥対象施設の考え方
過去5年間で増加した4%のうち大型の施設は、市役所本館、競輪場メインスタンド、市民病院であり、対象施設からそれらを除いただけ。
⑦縮減面積
⑥により約60,000㎡の削減
今後、見附台周辺地区整備や龍城ヶ丘ゾーン公園整備、新たな学校給食センターなど、さらに公共施設の延床面積総量は増えます。
必要なものは建設するにしても、今後、人口減少や少子高齢化によって、歳入は減少する一方なので、利用率の少ない公共施設は削減、あるいは稼ぐ公共施設に変えていくべきではないでしょうか。
受益者の立場からすれば、身近な公共施設を残していきたいと思うことは当然のことと思いますが、将来世代にツケを回さないためにも一刻も早く手をつけなければいけない問題だと思います。
現在、市では「平塚市公共施設等総合管理計画(改定素案)」への意見募集を行っています。ぜひ改定素案にお目通しいただき、パブリックコメントにご意見を寄せていただけたら幸いです。
「平塚市公共施設等総合管理計画(改定素案)」へのご意見を募集します
募集概要
平塚市公共施設等総合管理計画は、本市の公共施設及びインフラ施設について、全体の状況を把握し、長期的な視点と計画性をもって最適な管理運営を実現することを目的として、平成27年11月に策定しました。
この度、現計画の計画期間の中間年に至り、策定からこれまでの取組や市を取り巻く状況の変化、国の策定指針の改訂などを反映した計画の改定素案がまとまりましたので、市民の皆さまからのご意見を募集します。意見対象
平塚市公共施設等総合管理計画(改定素案) (PDF2,783KB)
平塚市公共施設等総合管理計画(改定素案)概要版 (PDF1,716KB)
平塚市公共施設等総合管理計画改定概要 (PDF262KB)募集期間
令和3年2月8日(月曜日)から令和3年3月9日(火曜日)まで閲覧場所
市ホームページのほか、次の施設で閲覧できます。
市役所本館(4階 資産経営課 (B407窓口) 、5階 市政情報コーナー)、各公民館、各図書館、駅前市民窓口センター、市民活動センター
なお、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、希望に応じて閲覧資料を郵送します。意見を提出できる方
市内に在住・在勤・在学の方
市内で事業を営む方
市内で活動する団体
本市に納税義務のある方意見の提出方法
氏名、住所、連絡先を明記の上、次のいずれかの方法で資産経営課までお寄せください。
書面での書式は問いませんが、よろしければ「意見カード」(Word形式32KB、PDF形式117KB)をご利用ください。直接持参 平塚市役所本館4階(B407窓口) 資産経営課(平日8時30分~17時15分)
郵送 〒254-8686 平塚市浅間町9-1 平塚市役所資産経営課宛
※公民館などに設置してある「市長への手紙」を利用することもできます。封筒の表面に「総合管理計画(改定素案)への意見」と明記してください。ファクス 0120-704589(通信料無料)
電子メール shisan@city.hiratsuka.kanagawa.jp
意見に関する考え方の公表
お寄せいただいたご意見に対する個別の回答は行いませんが、後日ご意見の内容ごとに市の考え方を整理し、公表します。
なお、公表にあたっては、氏名、住所、連絡先(電話番号等)の個人情報は掲載しません。
この記事へのコメントはありません。