政策

はじめに

 コロナ収束の糸口が見え始めている今、コロナ禍で議論が停滞してしまった財政・社会保障改革の方向性を含め、2025年問題、2040年問題にどう対処するのか、改めて考えなければなりません。
 平塚市の将来人口は、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2040年には22万6千人まで減少するとされています。また、高齢化率は38.5%に達すると見込まれています。
 果たしてこのまま手をこまねいているだけでよいのでしょうか。人口流出を防ぐとともに、新規流入と定住人口の増加を狙うには、子育て・教育支援の拡充が欠かせません。
 また、2025年には、約800万人いる団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となり、国民の4人に1人が後期高齢者という超高齢化社会を迎えます。逆に社会保障の担い手である労働人口は減っていくため、社会保障費の増大、不足が予想されるほか、医療、介護分野の整備や少子化対策が急務となっています。
 確実にやってくる2025年問題に対して、一人一人が自分の健康を守るのと同時に、医療や介護が必要な状態となっても、できる限り住み慣れた地域で安心して生活を継続し、その地域で人生の最期を迎えられる環境を整備していくことが求められます。

子育て支援の拡充を

 子育て支援は、出生率の向上を通じた経済成長や財政健全化だけでなく子どもの心身の健全な発達を通じた社会の安定化にも寄与します。つまり、子どもを持たない人も子育てが終わった世代もメリットが大きいのです。
 しかし、子どもの数が過去最少の81万人となり、出生率も1.30と6年連続で低下しました。このまま進めば、「日本が存在しなくなる」という声も上がるほど少子化が止まりません。
 平塚市では2017年から4歳以下の転入超過が続いていますが、依然として子どもの数は減少しており、2019年の出生率は1.23と国の平均を下回っています。子育て世代に「さらに、選ばれるまち・住み続けるまち」となるためには、もっと子育て支援に力を入れるべきと考えます。
 出生数が過去最少となる一方で、子どもの数が増えているのが兵庫県の明石市。子育て支援を充実させることで、9年連続で人口が増加し、出生率も1.7と全国平均より高い水準となっています。同市は、所得制限なしで「医療費・給食費・保育料・公共施設・おむつ」という5つの無料化を実施しています。
 子育て世代にかかる負担の軽減は出生率の増加に繋がります。まずは、所得制限なしで、第2子以降の保育料の無料化を目指して参ります。

GIGAから学校DXへ

「令和3年度全国学力・学習状況調査」によると、平塚市立小中学校ともに全国と県の平均正答率を下回っている状態が依然続いています。また、教員の長時間勤務やなり手不足が深刻な問題となっています。
 このままでは学校の先生が足りず、さらに子どもたちの学びに大きな支障が出てしまいます。
 GIGAスクール構想による、1人1台の端末整備は済んだにもかかわらず、その活用がなかなか進んでいないのが現状です。デジタル化を切り口に、学校そのもののあり方を変え、結果的に学びを変えていかなければなりません。
 そのためには、児童生徒は授業での活用、教員は校務での活用を切り口にしていくことが、学校DXの切り口になると考えます。「いつでも使う、どこでも使う、自由に使う」という視点で、授業以外での学校教育の中での様々な場面でICT機器、クラウド環境の活用を提案していくことで、学校DXの実現、そして教育改革を図って参ります。

スポーツの力で、ひらつかを元気に

 来たるべき「人生100年時代」に適応していくには、人生設計を長期のスパンで考えて、健康でいる期間や働くことのできる期間を可能な限り伸ばしていくことがまずは重要になります。
 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で、周知のとおり、不活動な人の増加は世界的な課題となっています。
 私はアスリートや健康運動指導士、慶應スポーツSDGsの知見や人脈を活かして、ポストコロナの新常態においても、スポーツを基本に、エビデンスが認められている健康増進や身体機能維持を実現し、地域の健康課題解決や未病改善に寄与する政策を提言して参ります。

病気や障がいがあっても、誰もが暮らしやすいまちづくりを

 一方で、いくら健康づくりに励んだとしても、いつ何が起きるか、いつまで元気でいられるかはわかりません。人生半ばで大きな病気やけがをすることもあれば、自身が健康でも、家族に看護や介護が必要になることもあります。
 実際、私は36歳で舌がん(ステージⅣ)の宣告をされ、舌半分と首のリンパ節を切除する手術を受け、「話すこと」や「食べること」に障がいを持ちました。
 しかし、「またスノーボードがしたい、スノーボードデモンストレーターになりたい」という夢があったからこそ、どん底を乗り越えることができました。スポーツでなくても、皆さんにも夢を持ってもらいたいと思います。
 「人生100年時代」を迎えるにあたっては、病気になっても、障がいがあっても、身体機能が低下しても、家族に介護が必要になっても、社会から離脱しないことを目指すべきではないでしょうか。
 それを可能とするためには、健康でなくても暮らしやすい・働きやすい仕組みや、健康でない人とその家族を支えるサービスが不可欠です。例えば、介護保険サービスの充実、病気療養・介護が必要になった人の休業・復職制度や高齢者・障がい者雇用の促進などに向けた取り組みは現在も行われていますが、今後さらに求められます。
 がんを乗り越えた力で社会を変えていきます。

もう先送りできない!公共施設の更新問題 ー稼げる公共施設へー

 市が2015年に策定した平塚市公共施設総合管理計画では、「今後10年間で(公共施設の)延床面積総量の4%相当の削減」を目標としていましたが、2021年5月に改定した同計画では、「今後10年間で延床面積総量の1.5%相当の削減」に下方修正しました。
 しかし、この方法では、今後10年間の削減目標は7.6億円ですが、2040年から2049までは年額14億円の不足額が見込まれており、将来世代大きな負担を残す可能性があります。
 人口減少により市税収入の減少が見込まれ、今後、全ての公共施設を維持・建て替えするのは難しいことから、地域の人口構成やニーズなどの変化を考慮しつつ、本当に必要な機能を見極め、公共施設を統廃合することも考えていかなければならないでしょう。
 しかし、収入がこれ以上見込めないから削減していくという方法しか考えられない公共のあり方では、財源の枯渇によって「提供すべきサービスも提供できない」という論理しか展開できません。
 従来の公共観念からすれば、公共施設で稼ぐということはタブー視されてきましたが、今後は、従来の公共施設に対する考え方を再検討し、新たに「稼ぐ機能」を公共施設の一部に付随させることによって、公共サービスを充実させることや必要な施設を残していくべきと考えます。

議会改革 ー前例から前進へー

 これまでの議員生活で感じたことに議会の硬直化と前例踏襲主義があります。
 平塚市議会議員の平均年齢は61.9歳、最高齢は80歳。平均当選回数は4回、最多回数は7回(2022年4月1日現在)です。
 長く同じ人が同じポジションにいると、様々な行動や考えが習慣化され、固定化されます。それは良い面もありますが、組織を硬直化させるという一面もあります。
 そして、私が驚いたことは、街を良くしようという考え方よりも昔からの前例踏襲の方が勝っていることでした。
 少子高齢化の進展や社会経済情勢の変化、個人の価値観やライフサイクルの変化などにより市民ニーズは多様化、高度化しており、新たな課題も次々と出現しています。過去の成功体験の中には答えがなく、現代社会のように変化が急速で激しい状況においては、「前例」が機能しない可能性は高くなります。
 前例がないからこそ、新たに挑戦して道を開いていく必要があります。

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