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東日本震災から10年

 10年前の皆さんはどこで何をしていましたか?
 当時、私は修士論文の提出を終え、新潟県南魚沼市の先輩の家に身を寄せていました。
 発災後しばらくして、陸前高田市に住んでいたK君がその先輩の家に来ることになりました。
 それからK君、先輩、私の3人での生活が始まりました。
 K君は初めて会った時は無口でしたが、時が経つにつれ、ポツリポツリと話をしてくれるようになり、ある時、自分の震災体験を話してくれました。今日はその時の話をしたいと思います。

 311日、彼は両親と自宅にいて、緊急地震速報が鳴って揺れて、「30分後に津波が来る」といわれ、両親と共に自宅の2階に上がったそうです。
 その時に母から「寒いからこれ着なさい」とアウトドア用の防水ジャケットを手渡され、それを着たそうです。
 そして、3人で身を寄せていたところ、津波に巻き込まれました。あっという間に散り散りに流されてしまったそうです。彼は母が着せてくれた防水ジャケットが浮力となって命からがら助かりました(その後、ご両親は自宅から100mほどのところでご遺体で見つかりました)。

 目の前で両親を失ってしまった彼の悲しみは計り知れません。
 津波の情報が正確だったら、津波に対する知識があったなら等と考えてしまいます。

 神奈川県の津波浸水被害想定によると、2千~3千年以上の頻度で発生する巨大地震で、相模湾の平塚付近では最大で高さ9.6メートルの津波が地震後6分で到達。高さ約10メートルの浸水被害が発生するとされています。

津波ハザードマップを再確認しましょう

平塚市津波ハザードマップ(PDF4964KB)

 東日本大震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

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