令和7年6月定例会 一般質問報告(要約)
1. 日産車体湘南工場が閉鎖された場合の本市への影響について
日産車体湘南工場の閉鎖報道を受け、市の受け止めと把握情報、雇用や取引先企業への影響に対する支援策、税収・跡地利活用への対応、情報収集・発信体制について質しました。市長からは、報道には驚いたものの日産自動車として正式決定はまだないとして、まずは日産自動車・日産車体からの正確な情報収集に努める、支援策は検討中で今後の情報を踏まえて適宜決定・公表するとの答弁がありました。
再質問では、神奈川県知事が日産自動車社長に工場閉鎖の撤回を求めたとの報道を引き合いに、市長自身の働きかけの有無を尋ねましたが、副市長は「既に公表されている事実の範囲を超えて議論するのは適切でない」として明言を避けました。庁内横断的な対応体制についても、産業振興部長から「選択肢が多く、まだ話せる段階にない」との答弁にとどまりました。
2. 神奈川大学湘南ひらつかキャンパスの移転に伴う西部地域のまちづくり方針一部改訂について
神奈川大学が川崎競馬組合を優先交渉権者に選定したとの報道を踏まえ、(1)都市マスタープラン改訂への交渉権者の計画内容の反映度合い、(2)大学と組合の交渉状況の把握・関与、(3)(仮称)秦野中井インター・平塚アクセス道路の進捗を質しました。市は、マスタープラン改訂は跡地利活用協議会の方向性を踏まえたもので特定の施設計画を前提にしたものではないこと、大学・組合とは都市計画手続に関する相談を受けているが両者間の契約交渉そのものには関与しないことを説明しました。アクセス道路は、本年1月に県が主体となって検討を進める方針が示され、現在県市町で連携して検討中であり、見通しはまだ示せないとの答弁でした。
再質問で具体的なルートを尋ねたところ、中井町のグリーンテクなかい入口交差点付近と、県道77号の土屋霊園入口付近を結ぶルート案が示されました。優先交渉権者選定の報道から既に1年が経過していることを踏まえ、引き続きの情報収集を求めました。
3. 高齢者の移動支援について
神奈川中央交通の高齢者向け割引制度「かなちゃん手形」が廃止され、定額制の「かなちゃんパス」に移行することに伴う負担増(週2回利用想定で年間約2万円増)を取り上げ、(1)移動環境への影響の受け止め、(2)移動支援の在り方を質しました。市は、旧制度が来年6月末まで有効なため現時点で影響は捉えられないとしつつ、バス事業者からは価格上昇を指摘する声とキャッシュレス化を評価する声の両方が届いていると説明。移動支援は、地域が主体となった取組に市が伴走・支援する考えを示しました。
再質問では、購入費補助や免許返納者への支援、利用回数に応じた割引などの段階的支援を繰り返し提案しましたが、市は「既存の福祉施策(地域内の運転ボランティアによる移送支援、福祉有償運送など)とのバランスを考える必要がある」として、補助制度の検討予定はないとの姿勢を崩しませんでした。日向岡住宅など坂の多い地域への配慮についても、「地域ごとに相談があれば対応する」との答弁にとどまりました。
4. 中央公民館の休館中の代替施設について
来年10月1日からの中央公民館休館を受け、地区公民館の登録要件緩和(複数館登録や未登録館の一時利用など)、利用申込みの事前受付型への統一、オンライン予約システムの導入について質しました。市教育長は、登録要件のさらなる緩和は考えていないが個別相談会で丁寧に対応するとし、受付方法は事前受付型への統一を進めていること、オンライン予約は地区公民館ごとの内規の違いなど課題があり研究を続けるとの答弁でした。
再質問では、個別相談会の利用が4団体(うち実施済み3団体)にとどまっている実態を指摘し、開催日時(第2水曜・第3土曜の10~12時のみ)や周知不足を問題視しました。また、松原・金田公民館に続き金目・富士見公民館も改修予定であることを踏まえ、要件緩和の再検討を求めましたが、市は個別相談での対応を基本とする姿勢を維持しました。代替の活動場所として文化公園会館やひらしん平塚文化芸術ホールの減免、学校体育館ステージや美術館ミュージアムホールの活用も提案しましたが、ホールの安易な減免は考えていないとしつつ、美術館ミュージアムホールは既に利用可能であるとの説明がありました(なお文化公園会館の減免に関する当初答弁は後刻訂正され、目的次第で減免規定があるとされました)。公民館の有料化への懸念についても質しましたが、市は現在のところ有料化は考えていないと答弁しました。
5. たばこ対策について
市たばこ税収が増加傾向にあることから、(1)喫煙と健康に関する市の基本認識、(2)令和7年度禁煙週間における取組を質しました。市は、習慣的喫煙が高血圧など健康に影響することを踏まえ、ひらつか健康・食育プラン21に基づき対策を進めており、禁煙週間にはLINEでの啓発や「受動喫煙と健康」のホームページ公開などを行ったと答弁しました。
再質問では、他自治体で行われている啓発イベントやシンボルのライトアップ(平塚駅南口の人魚の噴水など)の実施を提案し、市は費用対効果を含めて研究する考えを示しました。喫煙者数の把握については健康調査から減少傾向にあるとの答弁でしたが、たばこ税収や売渡し本数からは実態が見えにくいとして正確な把握を求めました。オーラルフレイル予防事業とたばこ対策の連携や、禁煙外来の自己負担(1~2万円程度)への一部補助についても提案しましたが、禁煙外来は既に保険診療の対象であるとして、追加補助は現時点で検討していないとの答弁でした。
6. 新耐震グレーゾーン住宅の耐震化への補助について
1981年6月~2000年5月に建築確認を受けた「新耐震グレーゾーン住宅」への補助制度導入について、(1)既存の木造住宅耐震化促進事業補助金(旧耐震基準住宅対象)の令和6年度利用状況、(2)グレーゾーン住宅への補助制度導入の見解を質しました。市は、令和6年度は補助上限額引上げや能登半島地震を受けた関心の高まりにより、耐震診断125件・改修設計62件・改修工事40件・建替え除却4件といずれも過去最高の利用実績となったことを説明し、グレーゾーン住宅への補助は旧耐震基準住宅への対応状況を見極めながら導入時期を判断するとの答弁でした。
再質問では、県内で横須賀市・神奈川県・横浜市・藤沢市・南足柄市・湯河原町・松田町・海老名市と制度導入が広がっている状況を踏まえ、旧耐震基準より補助額を抑えた形での早期導入を提案しましたが、市は当面旧耐震基準住宅への対応に注力する方針を示しました。あわせて、耐震性能を要件としていない太陽光発電設備導入補助金についても取り上げ、グレーゾーン住宅への設置リスクを指摘しましたが、環境部は太陽光パネル設置に建築確認は不要とした上で、信頼できる施工業者選びなど利用者側の自衛を求める答弁にとどまりました。
7. 学校体育館への空調整備について
大風量タイプの空調機をリース契約で導入する市の方針(1校当たり約8,000万円、3校で計約2億5,200万円)について、(1)天吊り型エアコンより高額になっている理由、(2)リース契約を選んだ理由、(3)改修時の追加コストを含めた総合比較の有無、(4)地元事業者が参入しやすい工事契約とすべきではないかを質しました。市教育長は、設置費用に加え光熱費や受変電設備の更新費用まで含めた総合的なコストで比較した結果、現方式が最も安価と判断したこと、体育館改修時の追加費用が生じないよう配置を計画段階から検討していること、リース契約でも施工面で市内事業者が参加できるよう働きかけることを説明しました。
再質問では、天吊り型を選んだ場合の具体的な試算額の開示を求めましたが、金額の公表は控えるとの答弁でした。令和8年7月に3校(中学校優先)へ試行設置し、他校への展開は検証後になるため早くても3年後になりかねないと指摘したのに対し、市は検証を速やかにまとめ早期展開に努めるとしました。断熱性能の高い新築の相模小学校体育館への国の交付金活用も提案し、今後検討するとの答弁を得ました。国の空調設備整備臨時特例交付金が令和15年度まで対象期間であることを踏まえ、複数年にわたる戦略的な整備・申請計画の必要性を指摘し、市も無駄のない整備に努める考えを示しました。今年度の熱中症対策については、4月14日付で暑さ指数(WBGT)に基づく活動可否判断や水分補給の徹底を各校に通知済みとの答弁でした。
8. 土屋小学校の小規模特認校の指定について
2026年度から市内初の小規模特認校となる土屋小学校について、(1)指定の目的・背景・期待される効果、(2)成果が見られない場合の判断や制度の見直し・検証体制、(3)構造改革特区等を活用した独自教科(会話科など)やAET常駐といった特色ある教育の検討、(4)学区外通学者への放課後の支援体制を質しました。市教育長は、児童数減少が教育活動に及ぼす制約への対応として指定したこと、効果として児童数減少の抑制や特色ある学習・地域交流の継続を挙げ、成果判断や制度見直しは検討中の「小学校及び中学校適正規模等基本方針」を踏まえて必要に応じ対応するとしました。特色ある教育や放課後児童クラブを含む環境づくりについては、既存の教育活動や地域資源の魅力を今後も学校・保護者・地域と共有し継続する中で充実を図り、放課後児童クラブは利用児童数の推移を踏まえて対応を検討するとの答弁でした。
再質問では、宇都宮市立城山西小学校の視察を踏まえ、会話科などの独自教科やAETの常駐、地域と連携した放課後の居場所づくりなど、より踏み込んだ取組の必要性を訴えました。平塚市教育委員会の会議で「児童・保護者が通いたくなる学校であることが大切」との指摘があったことを引き、現状でそのような学校になっているかを問いましたが、市教育総務部長は「学校の特色や運営方針は学校が考えるもの」として、教育委員会は学校の取組を尊重し支援していく考えを示しました。
