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令和4年12月議会質問要約【3】ICT利活用の促進 (1)テレワークの推進

【渡部議員】
 地方公共団体においてテレワークを推進することが必要な理由として、大きく
①育児や介護などの時間的制約を抱える職員を含め、職員一人ひとりが多様な働き方を実現できる「働き方改革」の切り札
②結果として、業務の効率化が図られることで行政サービスの向上にも効果
⓷感染症対策に加え、災害時における行政機能の維持のための有効手段
の3点が挙げられる。
 これら以外にも、障がい者の雇用促進などのメリットがある。また民間事業者へのテレワークの導入支援をするためにも地方公共団体がテレワーク普及の旗振り役を担う必要がある。
 さらに、本市は内閣官房内閣人事局などで構成されるテレワーク月間実行委員会が行っている「テレワーク月間」に、全国15自治体のうちの1自治体として参加しており、他の自治体に先駆けてテレワークの推進に力を入れている。
 テレワークを推進する上で、課題になるのはセキュリティの確保である。テレワークのソリューションはVPNか閉域SIMがスタンダードだが、VPNはセキュリティレベルが低く、パスワード管理や接続操作をユーザーに覚えてもらう必要があり、やや利便性に欠ける面もある。また閉域SIMはセキュリティレベルが非常に高く、認証も自動で行われるため、利便性は高いが、常にLTE回線を使用しなければならず通信費がかかるため、維持費は割高になってしまう。
 そのため、インターネットや無線LANなどIP網の上で、LTEと同じプロブコルを使って通信する「LTE over IP」を導入、または導入を検討している自治体が増えてきた。
 「LTE over IP」はIPネットワーク上でLTEのプロトコルを通せるため、LTE回線にはつながらず、公衆Wi-Fiや自宅Wi-Fiといった環境でも利用できる。
 つまり、VPN並みのコストと、閉域SIM並みのセキュリティを実現できる、いいとこ取りのソリューションである。
 そこで、以下伺う。
①市職員のテレワークの利用状況
②テレワーク環境について
 (ア)テレワークソリューション
 (イ)端末台数
 (ウ)月額費用
 (エ)システム改変時期
⓷LTEoverIPの導入における調査研究をできないか

○市職員のテレワークの利用状況
(市長)
 本市では、コロナ禍を契機として、多様で柔軟な働き方を推進し、ワークライフバランスや業務効率の向上を図るため、令和2年6月から25台の端末で在宅型テレワークを開始した。さらに、令和3年1月からは、端末を95台に増大し、積極的に取り組みを進めているところである。
 テレワークの実施件数については、令和3年度は1531件、令和4年度は10月までに582件の利用となっている。

○テレワーク環境について
(市長)
 テレワークソリューション、いわゆる実施方式は、リモートデスクトップ方式を採用しており、テレワーク専用端末とモバイルルーターから、セキュリティが確保された閉域回線を経由して、庁内ネットワーク上の端末にアクセスして実施するものである。端末台数は95台、月額費用は、1台当たりおよそ3400円である。
 なお、システムの改変時期は、令和2年度の導入から5年程度を見込んでいる。

○LTEoverIPの導入における調査研究をできないか
(市長)
 本市としては、LTEoverIPは、近年登場した新しい技術であることから、先進自治体の導入状況やセキュリティ対策などの動向を見極めていく必要があると認識している。
 現在、本市が利用しているリモートデスクトップ方式は、厳重なセキュリティ対策が施され、情報資産を安全に利用できる仕組みとなっているが、テレワークを推進するためには、常に最新技術の動向を把握することが必要である。今後も情報セキュリティを確保したうえで、どのような技術を活用できるか、LTEoverIPを含め、調査研究をしていく。

*** 再質問 ***

【渡部議員】
 現状はリモートデスクトップという方式をしていると伺った。ただ、このRDPという方法では、サーバー側とクライアント側それぞれ端末必要になる。ということは、端末代も電気料金を2台分かかってくる。
 一方、LTEoverIPは1台の端末で済むので、それらのコストの削減できる。通信費だけではなく、端末代とか電気代も削減できる。であれば、導入しないてはないと思うが、どうか。

(デジタル推進担当部長)
 リモートデスクトップ方式は2台端末が必要であるのでコスト高になるのではないかというような質問かと思う。
 このリモートデスクトップ方式のメリットとしては、職場の自席のパソコンと、リモート操作してこれを利用するというふうな方式であるので、テレワークの専用端末の方にデータが残らないであるとか、自席と全く同等の業務ができるというふうなメリットがあるところである。テレワークのセキュリティを考慮した際に、自宅からのテレワークで情報資産を安全に利用するためには、専用端末本体にデータが保存できないようにする、これが非常に重要なことだというふうに考え、コストや安全性、利便性などを総合的に判断して、リモートデスクトップ方式を採用したものである。

【渡部議員】
 LTEoverIPも、その端末に保存するわけではなくて、それはサーバーにアクセスしていくわけであるから、そのセキュリティに関しては、問題はないかと思う。財政が潤っているのであれば、コストよりセキュアの環境というのを大事にするということはわかるが、日頃から財政が厳しいと言っているわけだから、ランニングコストが安い方法というのを検討していくべきではないか。それこそ、さきほど閉域回線のルーターの月額費用が3400円ぐらいかかっているという話だったが、これをLTEoverIPに変えれば、3分の1程度で済むわけである。月額費用は3400円ということなので、これに95台をかけると、月額が32万3000円、年額にすると387万6000円になる。その3分の1となると129万2000円である。つまり、258万4000円コスト削減につながる。なんでこれ、できないのか。

(デジタル推進担当部長)
 先ほど答弁したとおり、リモートデスクトップ方式を採用するに当たり、情報セキュリティの確保、これを最優先としたというふうな経緯がある。と言いつつも、新たな技術というふうなものは、まさに日進月歩で進んでいるところである。LTEoverIPについても、高セキュリティを確保した上で、低コストであるというふうな説明がされているということは認識している。
 今現在としては、令和3年に導入したばかりのシステムでもあるし、現行方式の継続的な見直しと改善を基本としながらも、最新の情報技術、他自治体の動向であるとか、機器の導入コスト、そういったものをさまざまな要素を考慮して、調査研究はしっかりと行っていきたいというふうに考えている。

※議会事務局作成のため、誤字脱字がありましたらご容赦ください。

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