(1)学びの保障を担保するために
【渡部議員】
児童・生徒が、新型コロナウイルスの感染者や濃厚接触者となった場合の学びの保障について伺う。症状がある感染者は発症日の翌日から10日間の療養が求められている。また、濃厚接触者は感染者の発症日または住居内で感染対策を講じた日のいずれか遅い日の翌日から7日間の待機が求められる。
家庭内感染が広がると、療養待機期間がさらに延びるケースもある。家族が相次いで感染し、3週間近く自宅待機が続き、学校に行けないケースもあったそうである。しかし、療養・待機期間中に出された宿題は普段の量と変わらず、電話で「ここまでテストでやるから家庭で見てください」、「作文を授業中にできないから書いてきてください」と指示があっただけである。
もし両親が感染者で病状が重かったり、本人を隔離していたりしたら、親が家庭学習をみることができない。
それから、子どものオミクロン株の感染は、比較的軽症で済むことが多く、2日程度で平熱に戻りますが、外出もできないので、テレビやゲーム、YouTubeなどで暇を潰すことになってしまう。生活リズムが崩れ、学校に行けるようになる頃には学校に行きたくないと言い出す始末である。
さらに、何日も授業を受けていないので、授業についていけなくなってしまう。新規感染者は減少傾向となっているが、連日のように市職員の感染が報告されたり、小学校で学級閉鎖が起きたりと、まだまだ油断ならない状況が続いている。療養・待機期間中の児童・生徒の学びの保障について、どのように考えて、どのように対応しているのか伺う。
○療養・待機期間中の児童・生徒の学びの保障に関する見解と対応
(学校教育部長)
やむを得ず学校に登校できない児童生徒に対しては、それぞれの実情等を踏まえながら、学習に著しい遅れが生じることのないようにするとともに、規則正しい生活習慣を維持できるようにすることが重要だと考えている。
市教育委員会では、本年2月にまん延防止重点措置期間中はタブレット端末を毎日持ち帰ることとすること、また5月には平常時においても、タブレット端末を持ち帰ることができることとする通知を各学校に発出した。
各学校においては、タブレット端末を活用した課題の配付や提出、また、学校と家庭をオンラインでつないだ朝の会、更には学習支援ソフトを活用した家庭学習などを行っている。
*** 再質問 ***
【渡部議員】
教育委員会としては、著しい遅れがないようにとか、規則正しい生活の習慣の維持ということを考えているということで、それはぜひお願いしたいところだが、保護者から、学校の授業を受けさせたかったとか、教育を受ける権利が脅かされたというようなことを言っていた。
そこで、対面授業とオンライン授業を組み合わせたハイブリット型授業はできないのか。それこそ、タブレット端末1台があれば三脚に固定して、授業者自ら授業の様子を配信することが可能となる。実際、千葉県の流山市や大阪府の枚方市では行って、とても好評を得ていると聞いているので、ぜひ検討してもらいたいと思うが、見解を伺う。
(学校教育部長)
今ハイブリット事業の見解というか、取り組みについてというような質問であったと思う。
本市においては、先ほどの答弁にもあったが、2月に各学校に通知文を出して、非常時の児童生徒の学習保障の対応についてということで、本市の目指すべき姿というところを、学校に知らせさせてもらった。その中には、タブレット端末の持ち帰りとか、朝の会をタブレット端末を用いて、学校に来れない児童生徒に対して行うこととか、その中の一つとして、ハイブリット授業についても有効な手段として推奨するということで、我々の考えを示させてもらっているところである。その通知を受けて、全校ではないが、すでにハイブリット事業を実際に実施したという学校も増えてきているところである。
今後はその学校の取り組み状況等もしっかり教育委員会でも把握して、更に各校に広げていきたいというふうに考えている。
【渡部議員】
先生向けのオンライン授業に対するマニュアルというのはあるそうだが、ハイブリット型授業に対するマニュアルというのは無いと聞いている。それを作成するというようなことはないのか。
(学校教育部長)
教員向けのマニュアルというような質問だったと思う。
今の説明した通り、各学校で取り組みが始まっている。その中で、必ず学校の方では、こういうような機材を準備して欲しいとか、このような研修をして欲しいとか、そういう声が、やはり担当課にも上がってくるということで、今、受けとめているところである。そういう声を集約して、必要がある場合には、そのようなマニュアル等も当然必要になってくると思うので、そこらへんは今後、しっかり学校現場の声に耳を傾けながら検討していきたいというふうに考えている。
【渡部議員】
先ほどの不登校の児童生徒に対しても、こういったものを行っているということ言っていたが、不登校の児童生徒はどのくらいいるのか。
(学校教育部長)
不登校の児童生徒の人数ということの質問だった。
現在の令和2年度の数値になるが、2年度の不登校児童は147人。不登校生徒については290人ということで報告を受けている。
【渡部議員】
思ったよりも不登校の生徒が多いと思った。もちろん、不登校の子が、全てが利用してということではないが、不登校に限らず、さまざまな理由で学校に行けない人はいるので、通学だけではなくて、家でも学べるようにハイブリット型授業を充実させていってもらいたいと思う。
また、夏ごろにはコロナの感染者数の増加も懸念されているので、早急にハイブリット型授業を始めてもらいたいが、今後の見通しはどうか。
(学校教育部長)
不登校の児童生徒に対する全体的なハイブリット事業の取り組みという質問だった
先ほど言った通り、2月に非常時の持ち帰りで、あるべき姿、目指すべき姿を出させてもらった。5月には、平常時でも持ち帰ることができるというような、そういう通知も各校に出させてもらったところである。
指摘の通り、今後、感染症の更なる悪化が起こった場合の学校閉鎖、学級閉鎖等に備えて、また、登校したくてもできない子供たちが感染したり、不登校の子、またそれ以外の子供たちに対してやはり、学びの保障というのはしっかりやっていかなければならないので、さまざまな、繰り返しの答弁になるが、教員学校への研修の方法、学校のニーズ、子供たちの状況をしっかり踏まえながら、しっかりとこのGIGAスクール構想については、進めていきたいというふうに考えている。
(2)ランドセル症候群について
【渡部議員】
ランドセル症候群とは、自分の身体に合わない大きさや重きのランドセルを背負ったまま長時間通学をすることによる心と身体の不調を表す言葉である。GIGAスクール構想で児童生徒に1人1台のタブレット端末が導入された。そのタブレット端末を子どもたちが毎日持ち帰ってきているが、タブレント端末の重さが約1.3キロあり、子どもたちから「ランドセルが重い」という声が挙がっている。実際どのくらい重いのかと、小学2年生の子どものランドセルの重さを測ってみたら、なんと7キロを超えていた。現在の体重は約21kgなので、体重の3分の1もの重きを毎日運んでいるわけである。これを大人に置き換えると、体重60キロの人が20キロの重きを背負っている計算になる。想像してみてほしい。
アメリカの小児科学会では「バックパックの重さは体重の10~20%を超えないようにすること」を提言している。2024年度からデジタル教科書が導入されれば解消される問題なのかもしれないが、まだ1年半以上もあり、子どもたちの将来の健康被害につながるのではないかと心配している。
タブレット端末の持ち帰りにより、さらに重くなったランドセルについて、どのように考えて、どのような対応をしているのか伺う。
○タブレット端末の持ち帰りにより、さらに重くなったランドセルに関する見解と対応
(学校教育部長)
タブレット端末については、現在、平常時においても必要に応じて家庭に持ち帰ることができることとしている。
その理由としては3点あり、タブレット端末を活用した学習の促進と、児童生徒の実態に応じたタブレット端末の有効活用のため、また、今後の臨時休業や出席停止時、不登校児童生徒の学習保障に対応するためである。
重くなったランドセルヘの対応については、平成30年9月に、児童生徒の携行品に係る配慮について、各学校宛てに通知している。各学校には重さや量について検討するとともに、保護者等とも連携し、児童生徒の発達段階や学習上の必要性、通学上の負担等を考慮し、必要に応じて適切な配慮を講じてもらう内容である。
現在、携行品にタブレット端末が新たに加わったこともあるので、市教育委員会として、改めて各学校に対し、通学時における負担軽減のための配慮について周知していく。
*** 再質問 ***
【渡部議員】
こちらの問題は平成30年にも問題になったということなのだが、5年前にも問題になったはずの重すぎるランドセル問題が、いまだに解決していないということを考えると、各学校に委ねるのではなくて、教育委員会が強力に強力に推進すべきと考えるが、見解を伺う。
(学校教育部長)
平成30年に通知を出させてもらって、携行品、かなり重たくなり、児童生徒に負担がかかってるというような状況があり、教育委員会の通知を出させてもらったところである。
そのあとの状況については、特に学校の方から、また保護者の方から重たくて困るというような声が数多く寄せられているわけでは正直なかったが、ただ、指摘の通りタブレット端末を持ち帰ることも増え、また、子供によっては重たいと感じる状況があるということであれば、先ほどの答弁の繰り返しになるが、学校の方にこの状況について、タブレット端末が新しく加わったことも踏まえて、周知していきたいというふうに考えているところである。
【渡部議員】
子供や保護者からの声が少ないということだったが、ただ、世間ではすごく問題になっている話なので、実態調査も必要と思うが、どうか。
(学校教育部長)
今、実態調査はどうかというような質問であった。
現在のところ、各子供、児童生徒、また保護者に向けて、調査をするというようなことは考えておりません。
【渡部議員】
せっかくタブレット端末が配備されて、グーグル等が使えるので、そういった練習も兼ねて使ってみたらどうか。アンケートしてみたらどうか。
(学校教育部長)
一つの方法として、どのようなやり方があるのかということについては、担当課の方で、また再度検討して、今後どのような対応ができるかということは考えていきたいというふうに思う。
【渡部議員】
それから教育委員会として、ランドセルの重さを解消する方法を具体的な方法を示すべきだと思う。例えば、荷物が多い月曜・金曜日はタブレット端末を持ち帰らないとか、タブレット端末を持ち帰る日には教科書を持ち帰らないとか、特に低学年の児童に対しては配慮が必要だと思うが、教育委員会からそういったメッセージというか、教育委員会から何かしらの指導をすることはできないのか。
(学校教育部長)
教育委員会からの指導というような質問だった。
繰り返しに、またなるが、30年度の携行品についての通知を受けて、直接な投げかけは学校にはしていない。ただ、タブレット端末等の持ち帰りがまた加わったということで、改めてしかるべき時に、学校の方には周知していきたいというふうに考えている。
【渡部議員】
文部科学省が推奨しているクラウド・バイ・デフォルトの原則を踏まえて、いつでもどこでも自由に使える環境整備をして、学校で貸与したタブレット端末だけではなくて、家庭で保有するパソコンやスマホも使えるようにすれば、重すぎるランドセル問題も解消されるし、タブレット端末の紛失・盗難・破損・情報漏えいのリスクなどが無くなると思うが、どうか。見解を伺う。
(学校教育部長)
児童生徒等が自宅のパソコン等からログインをして、各学習システムを使用することは可能ではある。しかしながら、自宅のパソコン等から使用する場合、学校から出す課題内容、また障害時の対応、各家庭におけるパソコンの保有状況の把握、保護者への周知等さまざまな課題がある。
今後、学校とも連携しながら、その部分については検討していく必要があるというふうな認識を持っているところである。
(3)水泳授業について
【渡部議員】
教育委員会は、市立小中学校計45校で今年度の水泳の授業を中止すると発表した。近隣市町の多くでは実施するのに、なぜ本市ではできないのか。
水泳の授業は命を守ることにつながるので、何らかの水中での指導は必要だと思うが、対応策は考えているのか。
○本市で水泳授業を中止した理由
(学校教育部長)
スポーツ庁及び文部科学省発出の「学校の水泳授業における感染症対策について」には、感染症対策として、例えば授業中プール内だけでなく、プールサイドでも児童生徒の間隔は、2メートル以上を保つことができるようにすること、児童生徒に不必要な会話や発声を行わないよう指導すること、授業中手をつないだり、体を支えたりするなど、児童生徒が密接する活動は避けること、更衣室については、児童生徒の身体的距離を確保することが困難である場合は、一斉に利用させず少人数の利用にとどめること、などといった内容が記載されている。
市教育委員会では、小・中学校校長会と十分に協議した結果、こうした内容を踏まえた対策を講じて実施することは難しいと判断し、児童生徒の健康と安全を第一に考え、令和4年度の水泳授業を中止することとした。
○水中での指導ができないことへの対応策
(学校教育部長)
水泳授業の中止に関わらず、体育における水遊びの心得、水泳運動の心得、保健体育における水泳の事故防止に関する心得については、学習指導要領に則り、必ず取り上げるようすでに各学校に通知した。
*** 再質問 ***
【渡部議員】
水泳の授業が3年連続で中止になった児童のために、市内スイミングスクール5クラブが共同で、6月5日から無料水泳教室を開催している。
中止した分の水泳授業や、学校プール開放を中止した分の予算も余っているので、この分を水泳教室に対して拡充することができないか。
(教育総務部長)
民間のスイミングスクールが無料体験教室を実施しているということは承知している。ただ、これはあくまでも民間が行っている事業なので、私どもの予算をそこに充てるという考えは今のところ持っていない。
【渡部議員】
近隣市町では、厚木市や小田原市が民間スイミングスクールに水泳授業を委託しているが、本市でも委託する考えはないのか。
(教育総務部長)
民間のスイミングスクールを利用して、水泳事業を実施するという事例は各自治体で出てきてるというのは承知している。
本市においても、民間のインストラクター派遣を1校で実施する予定で、令和3年度、4年度と予算計上し、計画をしていたが、新型コロナの関係で授業が実施されず、現実としてはできていない。
引き続き、施設の維持管理面だとか、児童生徒の安全面も含めて、近隣の学校の共同利用だとか、民間の利用・活用を含め、本市として望ましい水泳事業のあり方を引き続き検討していく。
【渡部議員】
今の話は山城中学校と笠原小学校が合同で行う授業のことを言っていたと思うが、これに関して実施の予定はあるのか。また、それを水平展開していく考えはあるのか。
(教育総務部長)
今回の1校の実施の計画は、言われた通り笠原小学校で実施する予定だった。
令和3年度とか実施できていれば、授業の検証させてもらって、必要に応じてほかに対応できるかということを実施するために、検証も含めて行っていきたいというところだったが、現実としてできていないので、引き続き検討はしていきたいと思う。
【渡部議員】
水泳授業ができない分、水に親しむ機会は重要だと思う。海水浴場は開設が決まったが、市営プールは開設されるのか。
(市長室長)
市営プールについては、開設する方向で現在調整中である。
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