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11月10日,11日「よくわかる市町村財政分析基礎講座」を受講しました

 NPO法人 多摩住民自治研究所が主催する、大和田一紘先生による「よくわかる市町村財政分析基礎講座」に参加しました。

大和田先生と一緒に学んだ、市原市、越谷市、調布市、狛江市の市議会議員さんたちと

 自治体の財政を学ぶということは、自分たちの自治体の課題をトータルに捉える力、そのために考える力や能力を養うということです。自分たちのまちを自分たちで考えるために、自治体の財政を知ることは不可欠です。
 この講座では、自治体財政の一般論ではなく、自分の自治体の財政状況を知るための方法を学ぶことができます。
 今回学んだことを活かして、今後分析を進めていきますが、講義の中で重要と感じた点を記しておきます。

1 2020年度予算議会を終えて、2020年度決算議会にどのように臨むのか

(1)決算ほど財政情報を豊かにするものはない

  1. 法定4書類(歳入歳出決算書、歳入歳出事項別明細書、実質収支に関する調書、財産に関する調書)
  2. 経年の決算カード
  3. 経年の類似団体比較カード
  4. 経年の財政状況資料集

(2)行政評価を加えて決算論議をやれば決算と予算は連動ないし循環する

  1. PDCA
  2. 事業評価を含めた政策議論ができ政策の優先順位が決まってくる

2 どんな資料があれば自治体の財政がわかるのか?

 広報、予算書及び予算説明書、決算書、地方財政状況調査表(決算統計)、自治体財政の決算概況(決算カード)、各年度財政状況資料集、財政健全化法にもとづく総務省提出資料(総括表①~④)、財政状況類似団体比較カード(類団カード)、地方交付税算定台帳、統計書、市政概要、審査意見書、予算及び決算特別委員会会議録、財政白書、長期総合計画

〈インターネット等で得られる財政情報〉
決算カード
決算統計(地方財政状況調査表)
③地方交付税算定台帳
財政状況資料集
類似団体比較カード
⑥財政健全化判断比率に関する総括表①〜④(総務省フォーマット)

3 どのようにすれば自治体の財政がわかり、議員や市民が太刀打ちできるか?

  • 経年的に広報(予算・決算)を検証する
  • 具体的なイメージの持てる近隣市町村や同規模の自治体と比べてみる(例:財政状況類似団体比較カード)

4 大和田先生はコロナ禍における財政について、以下の提言をしています

  1. 新型コロナウイルスの下の財政運営によって、令和2年度予算及び決算は度重なる補正予算により財政負担が拡大し、財政規律が失われつつある。
  2. 市町村の「専決処分」や執行機関の「自粛」及び議会の軽視。
  3. コロナ禍の補正予算を、自治体の会計制度の科目名に並び替えてみる。
  4. 総務省地方債課・公営企業課・財政調整課連名の通知
  5. 新型コロナウイルスの感染拡大は大規模な自然災害に似た側面であり、財政調整基金を取り崩してでも行うべき事業

5 平塚市の令和3年度予算編成の基本方針

 国難ともいえる危機的状況の中で、市民サービスを維持するためには、すでに実施している特別職員の給与削減など人件費の見直しを始め、あらゆる事業を聖域なく見直して財源を確保する必要があります。職員一人ひとりが、前年度同様の予算確保は困難であるという危機意識を共有し、すべての事業について、成果を踏まえた有効性の検証を行い、大胆な事業の見直しや再構築により効率性・実効性を高めることで、施策展開のための財源を確保していくこととします。
 また、限られた財源で最大限の効果を発揮させ、子育て支援施策の充実や超高齢社会への対応など、コロナ禍においても引き続き市民生活を守ると同時に、地域の活力を回復させるため、選択と集中の視点を持って感染症拡大防止対策や地域経済の活性化のほか、行政サービスのデジタル化など「新たな日常」の構築を見据えた施策に対し財政資源を集中させることで、メリハリの強化を行い、効果や効率を高めた施策を展開します。(中略)
 以上の基本的な考えを踏まえ、令和3年度予算編成に当たっての基本方針は次のとおりとします。

(1)重点化する取組
ア 感染症への対応
 市民の生命、財産、生活を守るため、感染症の拡大を防止するために事業や、地域経済の着実な回復に向けた事業を推進することとします。
イ 行政サービスのデジタル化の促進
 感染症の影響が続く難局を契機に、ICTを活用した行政サービスの利便性向上と、行政事務の効率化にスピード感を持って取り組むことが強く求められています。そのため、あらゆる業務の内容やフローの見直しなど業務再構築を進め、行政のデジタル化に向けた取組を進めることとします。

(2)平塚市総合計画(改訂基本計画)の推進
 改訂基本計画が目指す「まちづくりの指針」の実現は、感染症と隣り合わせの社会においても、感染症が終息した社会においても、変わることなく重要であることから、現計画に位置づけた施策を引き続き推進します。
 ただし、ウィズコロナ・ポストコロナに対応する「新たな日常」の構築を見据え、施策の推進に必要な事業が位置づけられるよう、すべての実施計画事業に対して、事業の目的から制度設計まで大胆な見直しを検討してください。なお、これらの見直しにおいては、地域経済の活性化、ICTの活用・デジタルトランスフォーメーションの推進などの視点を踏まえるとともに、新たな指標の設定を検討することとします。

(3)さらなる行財政改革計画の取組
 感染症の影響を踏まえ、効率的・効果的な行財政運営を展開していくためには、これまで以上に行財政改革に取り組んでいく必要があります。
 すべての施策・事業で、感染症の拡大や、感染症の影響を最小限に留めるための財源確保に向けて、全体最適の考え方の下、選択と集中の視点を持って、隔年での実施や休止、縮小、廃止も視野に入れた見直しに取り組むこととします。
 また、行政のデジタル化に向けた取組を推進します。

令和3年度予算は、以下の点に着目したいと思います。

  • 目的別歳出による民生費、衛生費の割合が拡大している中、性質別歳出による投資的経費の割合が抑制されているかどうか。
  • 性質別歳出による扶助費の割合が減少していないかどうか。
  • 性質別歳出による人件費を削減することがこれまで「善政」と考えてきたことを改める。
  • 長い間の慣行として支出されてきた性質別歳出の補助費等にメスを入れる。
  • 財政調整基金の取り崩しのみならず、特定目的基金の取り崩しと、その分析及び見直しをする。

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